Ubuntuのテーマ
「Ubuntu 17.10」では、デスクトップ環境が「GNOME」に変わりました「Ubuntu」の開発チームは、「Unity」ユーザーが「GNOME」へ移行しやすいよう、また移行にかかる負担を少しでも減らせるよう、「Ubuntu 17.10」のデザインを今までの「Ubuntu」に近いデザインに調整しました。
「Ambiance」テーマや「Ubuntu Dock」は、その一環で採用されたものです。
これは今までの「Ubuntu」のような見た目や振る舞いを期待するフィードバックが、コミュニティーから多く寄せられたためです。
そしてその目標は「Ubuntu 17.10」で達成されました。
まだ終わってはいない
「Ubuntu 17.10」でデザインの調整は一段落付きました。しかし「Ubuntu Community Hub」や開発者のブログのコメントに、もっと劇的にテーマを変えてほしいという要望が寄せられました。
開発者はその要望に概ね同意しており、コミュニティーの助けを借りてテーマの再構築や再調整を行ってみてはどうだろうか、と考えています。
そして本件を1つのプロジェクトとして立ち上げ、「Ubuntu 18.04」を目標にして推進してみてはどうか検討が行われています。
プロジェクトの参加呼びかけ
というわけで、「Ubuntu Community Hub」にてこの件に関し、本プロジェクトへの参加を呼びかけています。現在の考え
現在の考えではコミュニティーから2,3名の参加者を募集し、Canonicalの社員2名と共にプロジェクトの推進にあたります。この方法ならテーマの変更点が「Ubuntu」らしさに沿っているかどうか総合的な判断が可能になります。
また各判断を公にし、なぜその判断に至ったのかを説明するため、「Ubuntu Community Hub」と連携し作業していきます。
「Ubuntu」の開発者は「Canonical」のデザインチームと定期的に意見交換しており、すでに今月末にもミーティングが設定されています。
これらのミーティングは、進捗の確認や助言を得るのが目的です。
ShellテーマやGTK+のテーマが完成した暁には、それらは「Ubuntu」のデフォルトのテーマとして採用されます。
もちろん「Ubuntu 18.04」に間に合うかどうかは進捗次第です。
もしデフォルトへの切り替えが間に合わなかったとしても、現在の成果物を試してみたいユーザー向けに新しいテーマの導入方法が紹介される予定です。
どこから作業を始めるのか
現在の考えでは、「GNOME(アップストリーム)」のテーマをベースにし、最初からテーマを再構築することを検討しています。テーマを構成する3つの要素
「Ubuntu」のテーマは、以下の3種類の要素で構成されます。- Shellテーマ(CSS)
- GTK+3(CSS)及びGTK+2テーマ(C言語)
- アイコンテーマ
そのため、CSS/SASS/C言語/テーマに関するスキルを持つメンバーの参加が望まれます。
もちろんアイコンのデザイナーも歓迎です。
「Ubuntu」のShellテーマは「CSS」で記述され、「GNOME」のShellテーマは「SASS」で記述されているという違いがありますが、Shellテーマ自身は「GNOME」のやり方から大きく外れたやり方ではありません。
とはいえ、以下の方針が考えられています。
GTK+3テーマ
GTK+3アプリ向けのテーマでは、「GNOME」のデフォルトのテーマである「Adwaita」をベースに定義値の変更やちょっとした振る舞いの修正作業を行います。この作業は「SASS」に対して行います。
こうすることで「GNOME」のやり方から外れることなく、GTK+の仕様変更への追従及びそれを基にしたテーマの再修正・再適用が簡単になります。
Shellテーマ
ShellテーマもGTK+3テーマ同様に、「SASS」に対して修正作業を行います。理由はGTK+3テーマと同じです。
アイコンテーマ
アイコンテーマはGTK+の仕様に引きずられないため、割と自由に変更できます。アイコンテーマは「GNOME」のデフォルトのアイコンテーマをベースにするのではなく、「Unity 8」で採用されていた「Suruアイコンテーマ」をベースにしてはどうか提案が出されています。