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5種類のセッションと3種類のデスクトップ環境

明日、「Ubuntu 17.10」がリリースされます。
(日本時間では+1日程度後ろにずれます。)
「Ubuntu」の開発者が「Ubuntu 17.10」で利用できるセッションとアップグレード後の環境について紹介しています。



「Ubuntu 17.10」へアップグレード予定のユーザーは、余計な混乱を避けるためにも、上記の内容に目を通しておくことをお勧めします。

5種類のセッションと3種類のデスクトップ環境

「Ubuntu 17.10」では、最大5種類のセッションと3種類のデスクトップ環境が利用できます。
セッションとは、ユーザーが利用する環境のことだと思ってください。
ユーザーがログイン画面で選択したセッションにより、デスクトップ環境含めユーザーが利用する環境が決まります。

ホームフォルダーは変わらない

異なるセッションを選択してもユーザーのホームフォルダー(~)は変わりません。
ユーザーのホームフォルダーはユーザーごとに割り当てられるものであり、ユーザーを切り替えない限り、どのセッションを選択しても同じホームフォルダーが使用されます。

言い換えれば、共通して利用される設定は、どのセッションを選択しても同じ設定が使用されます。

各セッションと環境の関係

最大5種類のセッションが利用できますが、これらのセッションは以下のセッションで構成されます。

  1. Ubuntu
  2. Ubuntu on Xorg
  3. GNOME
  4. GNOME on Xorg
  5. Unity

各セッションの違いは、デスクトップ環境とディスプレイサーバーの組み合わせの違いです。
表にすると、以下のようになります。

セッション デスクトップ環境 ディスプレイサーバー 備考
Ubuntu GNOME
(Ubuntu向けにカスタマイズ)
Wayland デフォルトのセッション
デフォルトでインストールされる
Ubuntu on Xorg GNOME
(Ubuntu向けにカスタマイズ)
Xorg デフォルトでインストールされる
GNOME GNOME Wayland デフォルトでインストールされない
GNOME on Xorg GNOME Xorg デフォルトでインストールされない
Unity Unity Xorg デフォルトでインストールされない

備考欄はいずれも「Ubuntu 17.10」を新規インストールした場合です。

セッションを選択するには

セッションは、ログイン画面で選択します。


ログインする前に利用したいセッションを選択してからログインすれば、そのセッションでログインできます。
一度セッションを選択すれば、次回以降同じセッションがデフォルトで選択されます。

UbuntuセッションとUbuntu on Xorgセッション

「Ubuntuセッション」と「Ubuntu on Xorgセッション」はいずれもデスクトップ環境に「GNOME」を採用しています。
ただこの「GNOME」はアップストリームそのままのものではなく、「Ubuntu」ならではのカスタマイズが施されています。


例えば画面の左端に配置される「Ubuntu Dock」の採用やテーマの変更など、既存の「Ubuntu」ユーザーのフィードバックを反映し、「Ubuntu」ならではの”色”を出しています。

この2つのセッションは、「ubuntu-session」パッケージにより提供されます。

違いはディスプレイサーバー

「Ubuntuセッション」と「Ubuntu on Xorgセッション」の違いは、ディスプレイサーバーです。

「Ubuntuセッション」では次世代のディスプレイサーバーである「Wayland」を使用します。
一方「Ubuntu on Xorgセッション」は、従来通り「Xorg」を使用します。

ディスプレイサーバーは、ユーザーから見ると裏方で動作するソフトウェアであり、直接ユーザーの目に触れることはありません。
ディスプレイサーバーの主な役割の一つは、「GPU」や「Linux Kernel」、そしてドライバーと連携したレンダリング(描画)です。
「Wayland」は従来よりもモダンな設計に基づく高度なレンダリングを提供し、「Xorg」を置き換えるソフトウェアです。

さてこの違いが直接ユーザーインターフェースのデザインに影響を与えることはありません。
つまり「Ubuntuセッション」も「Ubuntu on Xorgセッション」も、同じ見た目、同じ使い勝手のデスクトップを提供します。

Wayland初登場

「Ubuntu」は今までディスプレイサーバーに「Xorg」を採用してきました。
そして「Ubuntu 17.10」で初めて「Wayland」が採用されました。
つまり「Ubuntu」にとって、そして「Ubuntu」ユーザーにとって、「Wayland」は初めて利用されるディスプレイサーバーになります。

Waylandの課題

GUIアプリをrootで起動できない、つまり「Synaptic」を起動できないなど、すでに「Wayland」上での課題がいくつか明らかになっています。

これに限らずまだユーザーにとっても十分なノウハウが蓄積されていない状況であり、何かしら解決しにくいトラブルに遭遇する可能性があります。

Waylandに対応していない環境では

すべてのPCで「Wayland」が利用できるとは限りません。
搭載しているGPU及びインストールしているドライバーの状況により、「Wayland」を利用できない環境もあります。

「Wayland」に対応していない環境では、自動的に「Xorg」が使用されます。

困ったらXorgを利用してみよう

「Xorg」は従来から採用されてきたディスプレイサーバーであり、十分なノウハウがあります。
無理に「Wayland」を利用する必要はありません。
もし大きな問題に遭遇したら、「Xorg」を利用してみると良いでしょう。

(ただその一方で、品質向上に向け不具合報告などユーザーからのフィードバックが必要であり、誰も「Wayland」を利用しなかったらいつまで経ってもユーザーの期待に沿う品質にはなりません。)

デフォルトのセッションはUbuntuセッション

「Ubuntu 17.10」のデフォルトのセッションは「Ubuntuセッション」です。
「Ubuntu 17.10」を新規にインストールすれば、デフォルトで「Ubuntuセッション」が選択されています。

GNOMEセッションとGNOME on Xorgセッション

「GNOMEセッション」と「GNOME on Xorgセッション」はいずれもデスクトップ環境に「GNOME」を採用しています。


この環境はアップストリームの「GNOME」と同じ環境を提供します。
つまり「Ubuntu」によるカスタマイズが施されていない環境です。

この2つのセッションは、「gnome-session」パッケージにより提供されます。
デフォルトではインストールされていないため、必要なら「gnome-session」パッケージをインストール後、PCを再起動しログイン画面で利用したいセッションを選択してください。

違いはディスプレイサーバー

「GNOMEセッション」と「GNOME on Xorgセッション」の違いは、ディスプレイサーバーです。
内容は上記の「Ubuntuセッション」と「Ubuntu on Xorgセッション」と同じです。

Ubuntu GNOMEユーザーにお勧めの環境

これらのセッションは、現在「Ubuntu GNOME」を利用しているユーザーにお勧めのセッション(環境)です。

Unityセッション

「Unityセッション」は、デスクトップ環境に「Unity」を採用しています。


お馴染みですね。

このセッションは、「unity-session」パッケージにより提供されます。
デフォルトではインストールされていないため、必要なら「unity-session」パッケージをインストール後、PCを再起動しログイン画面で利用したいセッションを選択してください。

GNOME Shell環境と衝突しないように修正されている

一部のアプリやコンポーネントはセッションを超えて横断的に利用されます。
いくつかの機能は「GNOME Shell」環境と衝突しないように、そしてアップストリームの意向に沿うように、多少手が加えられています。

つまり「Ubuntu 17.04」と全く同じ環境ではありません。
使い勝手が破綻するような変更ではありませんが、その点は留意してください。

残念ながら「Unity」はもはや「Ubuntu」の主流コンポーネントではなく、今までのような積極的なメンテナンスや開発は期待できません。

以前のUbuntuからUbuntu 17.10へアップグレードした場合

「Ubuntu 17.04」や「Ubuntu 16.04」から「Ubuntu 17.10」へアップグレードした場合、アップグレード後の環境は以下のようになります。

デフォルトのセッションがUbuntuセッションに

デフォルトのセッションが「Ubuntuセッション」に設定されます。
また「Ubuntu on Xorgセッション」が利用できる状態になっているため、必要ならユーザーは「Ubuntu on Xorgセッション」を選択できます。

Unityセッションも利用可能

アップグレード時、インストール済みのパッケージを勝手に削除しないため、「Unity」もインストールされたままになります。
つまり「Unityセッション」も利用できる状態になっているため、必要ならユーザーは「Unityセッション」を選択できます。

「Unity 7」は「Wayland」に対応していないため、「Unityセッション」でログインすれば「Xorg」が使用されます。

以前のUbuntu GNOMEからUbuntu 17.10へアップグレードした場合

「Ubuntu GNOME 17.04」や「Ubuntu GNOME 16.04」から「Ubuntu 17.10」へアップグレードした場合、アップグレード後の環境は以下のようになります。

デフォルトのセッションはGNOMEセッション

デフォルトのセッションは「GNOMEセッション」です。
また「GNOME on Xorgセッション」が利用できる状態になっているため、必要ならユーザーは「GNOME on Xorgセッション」を選択できます。

Ubuntuセッションもインストールされる

アップグレード時、「Ubuntuセッション」と「Ubuntu on Xorgセッション」もインストールされます。
つまり合計4種類のセッションが利用可能です。

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